「攻殻機動隊」は、士郎正宗氏の漫画を原作としたアニメーション作品である。
- 「攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELL」(1995 劇場版)
→続編「イノセンス」(2004 劇場版) - 「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」(2002-2003 地上波)
→続編「S.A.C 2nd GIG」(2004-2005 地上波) - 「攻殻機動隊 ARISE」(2013-2014劇場版4部作)
- 「攻殻機動隊 SAC_2045」(2020-2022 Netflixで配信)
いずれも原作は同じであるが、時代やキャラクターの設定に相違点があり、見た目が同じだが別のキャラクターが活躍する、それぞれが独立した作品であるといえる。
人体のサイボーグ化や電脳化が進んだ近未来を舞台とする。この世界では人々は人体の一部を機械化(→義体化)することで人体の能力を向上させたり、電脳化(脳にマイクロマシンを埋め込み人間とネットを直接接続させる技術)により生活を向上させたりしている。
1,「攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELL」
漫画の第一巻を原作とし、1995年に映像化された。
【あらすじ】
テロ等の犯罪を未然に防ぐ、内務省直属の組織である「公安9課」に所属する草薙素子(部下や上司からは「少佐」と呼ばれる。)が、外交官暗殺の任務を遂行し、亡命を未然に防ぐシーンから物語が始まる。
後日、外務大臣の通訳が電脳をハッキングされる事件が起き、他人の電脳をハッキングすることで人形のように操る凄腕のハッカー(通称「人形使い」)の犯行である可能性が浮上したため、公安9課は犯人確保のため操作を始める…。
本作は「攻殻機動隊」のシリーズのなかで最初に映像化された作品であり、本編が約90分ほどということもあり、本作の世界観を知るのに入門編として丁度よい作品だと思う。この作品を面白いと感じたなら別作品に手を伸ばすのがよいだろう。
2,「イノセンス」
漫画の第6話「ROBOT RONDO」をベースにする。
【あらすじ】
「攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELL」のラストから三年後の話。
とある巨大企業が販売する少女型のガイノイド(女性の姿をしたアンドロイド)である「ハダリ」が原因不明の暴走を起こし、所有者を惨殺するという事件が相次いで勃発する。被害者に政治家や元公安関係者がいたことから、公安9課が捜査を担当することになり、9課のバトーおよびトグサが捜査に向かう…。
本作は「攻殻機動隊」の主役ともいえる「草薙素子」ではなく「バトー」を主人公として話が進むため、最初は若干の違和感があった。しかし、見終えた後だと前作の正当な続編として面白い作品であったと思う。
3,「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」
原作を基にしたパラレルワールドを舞台とする。基本的には全26話で1話完結方式だが、「笑い男事件」という事件が全体の中心になっている。
【あらすじ】
ある日、公安9課のトグサは旧友の山口から警察内部の不穏な動きについての相談を受けるが、山口は不審な死亡事故を起こす。
不審を抱いたトグサは捜査を進め、その中で「笑い男事件」に遭遇する。この事件に警察上層部とセラノゲノミクス社との癒着が関係したことを9課が突き止めたため、大堂警視総監ら警察上層部は記者会見を開くが、その現場を6年振りに現れた「笑い男」がハッキングし、大堂の暗殺を予告する…。
4,「2nd GIG」
「S.A.C」の続編にあたる。前作同様に基本的には全26話で1話完結方式だが、「個別の11人」を名乗るテロリストの事件を発端に公安9課の復活およびそれと敵対する内閣情報庁の暗躍を中心に物語が展開していく。
「攻殻機動隊」で筆者が初めて見た作品なので、とても印象が強い作品である。「攻殻機動隊」といえばこの作品を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。
「GHOST IN THE SHELL」は原作準拠の作品であるが、「S.A.C」は公安9課全体が主人公といえると思う。1話完結方式ながらも全体を通して「笑い男事件」および「個別の11人」の真相に少しずつ近づいていくのは長編ものの刑事ドラマに近いものがあると思う。
5,「攻殻機動隊 ARISE」
原作を基にしたパラレルワールドを舞台とするが、公安9課の主要メンバーの9課設立以前の話を描くため、時系列的には最初の作品のように思えてしまう。
9課設立以前に草薙素子が所属していた陸軍501機関および上司であるマムロ中佐の死をめぐり物語が展開していく…。
「攻殻機動隊」を知ってから初めての新作だったのですごく期待していたのを覚えている。当時はパラレルワールドとか細かい設定は知らなかったので時系列的に最初の作品だと思っていた。
細かい部分まで気にしないのであれば、この作品を最初に見るのもいいと思う。
6, 「攻殻機動隊 SAC_2045」
【あらすじ】
草薙素子率いる元公安9課は「ゴースト」という傭兵部隊を組織し、民間傭兵会社からの委託で内戦を未然に防いでいたが、ある作戦の失敗により素子たちは「ジョン・スミス」と名乗る男に連行されることになるが…。
本作は「攻殻機動隊」としては最新作にあたり、フル3DCGアニメーションとなっている。筆者としては他作品同様のアニメーションのほうが好みだが、「攻殻機動隊」の新作が見られることがとにかく嬉しかった。
NETFLIX独占配信の作品であるため、環境的に見ることができる人は限られるが、可能な人はぜひ見てほしい。
まとめ
個人的に見る順番のおすすめは作品のリリース順で見るパターン、やはり原作準拠の「GHOST IN THE SHELL」から順に見ていくのが「攻殻機動隊」の世界観を楽しめるのではないかと思う。また、古い作品から順に見ていくことで映像の進化も楽しめると考える。
個人的に面白かったシーズンのランキング
第1位 「S.A.C」
第2位 「2nd GIG」
第3位 「攻殻機動隊 ARISE」
第4位 「攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELL」
第5位 「攻殻機動隊 SAC_2045」
第6位 「イノセンス」